ボーカルの価値と役割について考える
きっかけとなったツイート #

このツイートを見て、最初の印象は「えらく憤慨してらっしゃるなあ」と驚きました。
主張への考察 #
「ボーカルは音楽知識がない」「目立ちたがり」「価値がない」といった主張については、個人差が大きすぎるので「この人が会ってきた人について」の話なんだろうなと思いました。
ボーカルは目立ちたがりでないと職業的に困る部分はあるでしょう。
僕の言葉で言えば、特にロックのバンドにおいて、各パートの役割はそれぞれあります。
- ドラマーは職人的(テンポ、リズムの構築)
- ベーシストは現場監督的(リズムとハーモニーの補完)
- ギタリスト、キーボーディストは塗装工的(場面の演出) な製造業者であるのに対し、
ボーカルの仕事は特にライブにおいては
- 歌唱
- オーディエンスのテンション管理(煽るなど)
- 曲世界の体現(視線を浴びて、観客を飽きさせない) など、音楽以外の聴衆管理業務が多く、どちらかと言うと牧畜業の色が濃い気がします。
ボーカルの「牧畜業」的役割と具体例 #
特にお客さんの多いライブにあっては、
- 醒めてしまうと辛いので煽る 「俺がこう言ったら、こう返すんだ!」
- 警戒心を解くためにMCでなごませる 「東京から来ました!この街はあったかいなぁ」
- 暴れる人や騒ぐ人を制御する 「怪我すんなよ!倒れたら起こしてやれよ〜」
など、「群れを導く」というスキルが要求されます。
ボーカルに必要な資質・スキル #
ボーカルに必要なのは、突き詰めれば「聴衆と会話する能力」だと思っています。
1:1の会話とは異なって相手が多数なので、 相手の言語が特殊なものになります。
- 熱感の盛り上がりと醒め
- 警戒と安堵
- 応援され、応援するループ関係
スピーチと同じですね。 この中で聴衆の状態を察知し、「聴衆にとって未解決の疑問」を意識してそれを適切に回答し、警戒を解いて共感し合える関係を構築するスキルです。
牧畜業はちょっと失礼な喩えですが、それほど楽器とボーカルでは考える道筋が異なると言いたいのです。
偏見への向き合い方とメッセージ #
元ツイートはわざと偏見を強く書いたのだと思いますが、これを言った人にも相応の理由があったのだと思います。
僕自身も偏見や差別心、攻撃性を持っています。 極論を言った人を攻撃するのではなく、考えを深める一石として磨いていければ、それが一番いいんじゃないかと思います。